ヒアリングが「質問によって情報を引き出す技術」であるのに対し、相手との深い信頼関係(ラポール)を築き上げる土台となるのがアクティブリスニングと傾聴力です。米国の心理学者カール・ロジャーズが提唱した「積極的傾聴」をルーツとし、ビジネスの現場でもリーダーシップや交渉の必須スキルとして定着しています。
アクティブリスニングの本質は、自分の意見や反論を一旦脇に置き、「相手の立場、感情、背景を無条件に受容しながら聴く」という姿勢にあります。具体的には、相槌のバリエーション、相手の言葉を繰り返すバックトラッキング(オウム返し)、言葉の奥にある感情のラベリング(「それは大変不安でしたね」など)を実践します。
営業現場においても、一方的なヒアリング(尋問)になってしまう営業パーソンは敬遠されます。まずアクティブリスニングによって相手に心理的安全性を感じさせ、「この人は自分の最大の理解者だ」と思われて初めて、顧客は心を開き、本音の課題を語り始めます。