情報セキュリティの第一人者である中央大学教授の岡嶋裕史氏は、現代の電話詐欺における情報の取り扱われ方について警鐘を鳴らす。「昔のように『騙されてお金を振り込んでしまった』という段階に至るはるか手前で、被害はすでに始まっています」と岡嶋氏は指摘する。
岡嶋氏によれば、自動応答システム(IVR)やAI音声を組み合わせた確認作業は、24時間無休で何万件もの電話番号にアタックを仕掛けているという。「電話に出て『はい、〇〇です』と一言発するだけで、その音声データと応答ログは即座にデータベースへ記録されます。沈黙を守っても、受話器を取ったという事実だけで『アクティブな番号』として分類されてしまうのです」と解説する。
「知らない番号、特に非通知からの着信には『出ない』ことが最大の防御策であり、それが徹底できない場合は端末側の設定で物理的に着信を遮断するのが最も確実です」と岡嶋氏は強調する。