長瀬智也のビジュアルと演技論を語る上で欠かせないのが、1996年に放送されたフジテレビ系ドラマ『白線流し』です。彼が演じた大河内渉は、夜間定時制高校に通いながら天文台で働く、心に傷を抱えた孤独な青年でした。昼間の高校に通う主人公・園子(酒井美紀)と交わす切ない眼差しや、長野県松本市の冷涼な空気に見事に溶け込んだ佇まいは、当時の視聴者に鮮烈な印象を刻み込みました。
この作品で見せた儚げな美しさこそが、「長瀬智也 若い頃 イケメン」という評価を不動のものにした原点です。陰のある横顔や伏し目がちな視線は、単なるアイドルドラマの枠を超えた文学的な情緒を醸し出していました。
しかし、そのパブリックイメージを根底から覆したのが、2000年に放送されたTBS系ドラマ『池袋ウエストゲートパーク(IWGP)』です。脚本・宮藤官九郎、演出・堤幸彦という稀代のクリエイターと組んだ長瀬智也は、池袋のトラブルシューター・真島誠(マコト)を熱演。長髪をラフにかき上げ、オーバーサイズのストリートファッションに身を包んだその姿は、従来の「ジャニーズの美少年」という殻を完全に粉砕しました。
繊細な美青年から、街のストリートキッズたちを束ねる野性味溢れるリーダーへ。劇中で見せた圧倒的な身体能力と男臭い色気は、女性ファンのみならず同世代の男性たちをも熱狂させ、ストリートカルチャーのアイコンとして社会現象を巻き起こしました。