大手SNSや知恵袋、料理コミュニティにおける「マグロあら」に関する投稿を分析すると、成功者と挫折者の間で評価が真っ二つに分かれています。
都内在住の40代主婦は次のように振り返ります。「以前、節約のために250円のマグロあらを買ってそのまま醤油で煮たところ、家中に生臭い匂いが充満し、子どもたちから『もう二度と買わないで』と猛反発を受けました。しばらくトラウマでしたが、鮮魚店の店主から塩振りと熱湯霜降りの手順を聞いて再挑戦。今では竜田揚げにするたびに大皿があっという間に空になります。肉より安くてボリュームが出るので、月々の食費が5,000円以上浮きました」。
一方、都内大手スーパーの鮮魚チーフバイヤーへの取材では、売り場側のリアルな裏事情が語られました。「実は、マグロを一本丸ごと解体する大型店舗のあらは、午前中の早い時間や夕方の解体ショー直後にしか店頭に並びません。骨の周りには『中落ち』と呼ばれる最高級部位がついており、カマには大トロ以上の脂が乗っています。原価回収のためのサービス品として出しているため利益はほぼゼロ。常連の料理人や味を知り尽くした主婦層が開店直後に買い占めていくため、一般のお客様には『見かけたら即カゴに入れるべき隠れ目玉商品』として知られています」。
ネット上には「あら=ゴミ同然の部位」という古い固定観念も一部残っていますが、現場のデータと生の声が示す現実は正反対です。適切な処理工程さえ踏めば、価格と味のギャップが最も大きい「最も費用対効果の高い食材」として再評価されています。