野々村氏が表舞台から完全に姿を消す契機となったのが、2014年に発覚した政務活動費問題でした。事態の推移と司法判断のプロセスを客観的なデータで振り返ることで、現在の生活に至る必然性が浮き彫りになります。
神戸新聞のスクープによって端を発したこの問題では、城崎温泉などへの年間195回におよぶ日帰り出張費をはじめ、切手代や金券類の大量購入など、領収書の添付がない不自然な支出が次々と暴かれました。詐取した政務活動費の総額は913万4410円に達し、社会的非難を浴びた野々村氏は議員辞職へと追い込まれます。その後、詐欺罪および虚偽有印公文書作成・同行使の罪で在宅起訴されました。
刑事裁判の過程でも、野々村氏の行動は世間の耳目を集めました。2015年11月に予定されていた初公判を「精神的不調」を理由に無断欠席。裁判所から勾引令状を発付され、2016年1月にようやく法廷に現れた際には、従来のトレードマークであった髪型から一転、頭髪を完全に剃り上げたスキンヘッド姿を晒して法廷関係者を絶句させました。公判中は質問に対して「記憶にございません」「精神的なパニックに陥っていた」と供述を繰り返し、反省の態度に疑問符が付けられる場面も散見されました。
2016年7月の判決確定後、野々村氏は静かに執行猶予期間を過ごし、2020年7月をもって4年間の執行猶予を満了しました。日本の刑法上、執行猶予期間を無事に経過したことで刑の言渡しはその効力を失っており、前科による法的な資格制限は消失しています。しかし、法律上の清算と社会的な再起は全くの別問題でした。