十一代目桂文治(本名:波多野高晴)は、1986年に名人と謳われた十代目桂文治に入門し、「桂平治」として落語家人生を歩み始めました。十代目のもとで徹底的に叩き込まれた前座修行と厳しい稽古が、現在の強靭な古典落語の土台を形成しています。
師匠である十代目との師弟関係は非常に深く、師匠の細やかな所作や粋なフラ(天性の可笑しみ)を間近で吸収し続けました。1999年に真打昇進を果たした平治時代には、すでにその実力と明るいキャラクターで多くの賞を受賞し、将来を嘱望される若手真打として名を馳せていました。
そして2012年秋、江戸落語の祖とも称される名跡「桂文治」の十一代目を襲名。落語界において文治の名跡は極めて重く、一門の歴史を背負う大看板です。この桂平治からの襲名の経緯は、師匠の芸を正統継承しながらも、自分ならではの生命力を吹き込める稀有な器量が評価された結果であり、多くの関係者から満場一致で祝福された門出でした。