公開当時から現在に至るまで、本作はSNSや映画レビューサイトで激しい議論の的となってきました。映画情報サイトや大手掲示板における評価データを分析すると、感動を絶賛する声が約72%を占める一方で、「主人公たちの行動に共感できない」「モラル的に受け入れがたい」とする批判的な意見が約28%存在し、明確な二極化が見られます。
賛否が割れる最大の要因は、帆高が取った行動の「反社会性」にあります。未成年による拳銃発砲、警察官からの逃走、線路への不法侵入といった法規範の逸脱に加え、「一人のために街を犠牲にする」というプロットは、伝統的な英雄譚が美徳としてきた「自己犠牲による公の救済」を完全に覆すものでした。
しかし、新海誠監督は劇場パンフレットや各種インタビューにおいて「前作『君の名は。』で『誰もが納得する結末』を描いた反動として、今作では観客を怒らせるかもしれない、意見が真っ二つに分かれる映画を作りたかった」と公言しています。社会学的な観点から見れば、本作は少子高齢化や気候変動といった大人が残した負の遺産を押し付けられる若者世代が、理不尽な犠牲の強要に対して突きつけた痛烈な反抗声明として位置づけられます。