万が一蚊に刺されてしまった場合、初期対応の成否が痒みの持続期間と痕の残りやすさを左右します。蚊が吸血する際、血液の凝固を防ぐために注入する「唾液成分」に対して、人間の免疫系がヒスタミンを放出してアレルギー反応(発赤・腫脹・掻痒感)を引き起こします。
絶対に避けるべき行為は「患部の爪での十字押し」や「掻きむしり」です。一時的な痛覚で痒みをごまかせても、真皮層の組織を破壊し、ヒスタミンを周囲に拡散させて炎症を拡大させます。さらに黄色ブドウ球菌などが侵入して「とびひ(伝染性膿痂疹)」や色素沈着を引き起こすリスクが高まります。
正しい初動は以下の3ステップです。
1. 水と石鹸で患部を洗う:皮膚表面に残った蚊の唾液タンパクを物理的に洗い流し、皮膚を清潔に保ちます。
2. 保冷剤で冷やす:患部を冷やすことで局所の血管を収縮させ、ヒスタミンの放出と知覚神経の興奮を鎮静化させます。
3. 抗ヒスタミン外用薬・ステロイド外用薬の塗布:強い痒みや赤みがある場合は、ジフェンヒドラミン配合薬や、市販の適正ランクのステロイド軟膏を早めに塗布し、炎症のピークを短縮させます。