ペダルが重くならず暗くなると自動で点く快適性から、通学・通勤車における装着率が過半数を越えたオートライトですが、特有のトラブルパターンが存在します。ネット上の掲示板や知恵袋等で散見される「叩いたら直った」「車輪を激しく空転させれば復活する」といった俗説を鵜呑みにするのは極めて危険です。
よくあるオートライトつかない理由の筆頭が、受光センサー部の閉塞です。ライト上部や背面に配置された小さな受光素子(CdSセルやフォトトランジスタ)の受光窓に、泥汚れ、埃、あるいは前カゴに入れた荷物のビニール袋が被さったり、ひどい場合は駐輪許可ステッカーが誤って貼られていたりします。センサーが遮蔽されると「常に夜間」と誤認して昼間から点灯し続けるか、逆に汚れ内部への浸水・短絡により感知機能が麻痺して一切点灯しなくなる誤作動を招きます。
また、ハブダイナモ故障と安易に断定された事例の中には、端子コネクタの単なる脱落が少なくありません。前輪のフォーク右下からハブ軸へと延びる樹脂製カプラーは、段差の衝撃や車輪の脱着時に指先ひとつで外れやすい構造になっています。点検の際は、ハブ軸から伸びる端子爪にカプラーが金属部同士カチッと奥まで密着しているか、爪が折れてグラついていないかを確認してください。
なお、衝撃を与えて一時的に点灯するのは、内部の断線箇所やハンダ接合部が振動で偶発的に接触したに過ぎません。走行中の激しい振動で一瞬にして完全消灯し、暗闇の中で突如視界を奪われる事態を引き起こすため、叩く行為は応急処置としても有害無益です。