作戦決行の朝、事態は刻一刻と悪化します。パブロの裏切りによる起爆装置の持ち去り(後に改心して復帰)や、味方の別働隊の玉砕など数々の悲劇に見舞われながらも、ジョーダンはアンセルモらと共に命がけで鉄橋を爆破し、任務を成功させます。しかし、その代償として忠実な老アンセルモは飛散した鉄骨の下敷きとなって命を落とします。
ゲリラ隊員たちと共に馬で退却を図る脱出劇の最中、敵の砲撃が炸裂。ジョーダンの乗った馬が被弾して転倒し、彼の下半身を押し潰します。左大腿骨を粉砕骨折したジョーダンは、もはや歩行すら叶わない状態に陥りました。
自分を置いてはいけないと泣き叫び、留まろうとするマリアに対し、ジョーダンは彼女をピラールたちに託しながら語りかけます。
「君が生きていれば、僕も君の中で生き続ける。君と僕とは、一つなのだから」
愛するマリアの命を守るため、そして仲間たちが脱出する時間を稼ぐため、ジョーダンは一人、森の松葉の上に横たわり、マシンガンを構えます。迫り来る敵軍の騎兵中尉の足音を聞きながら、彼が最後に見つめたのは、自分がかつて愛した世界の美しさと、静かに高鳴る自らの心臓の鼓動でした。彼が引き金に指をかけ、敵を待ち構える場面で、物語は幕を閉じます。
この結末において、ジョーダンは自暴自棄な自己犠牲を選んだのではありません。他者のために自らの命を投げ出す行為を通じて、彼は孤立した一個人を脱し、人類全体と完全に融合を果たしたのです。