日本の商業音楽史を振り返ると、天才的な作曲家やアーティストの存在が際立つ。アニメや映画音楽のみならず、数々の歴史的コマーシャルで耳に残る旋律を生み出してきた菅野よう子は、映像の熱量と音のテンションを完璧にシンクロさせる卓越した直感を持つ。彼女の作る音は、一度聴けば情景ごと脳裏に焼き付く。
一方で、近年の音楽シーンと広告表現を劇的に変えたのが米津玄師の楽曲だ。彼が手がけるテーマソングやタイアップ曲は、単なる背景音にとどまらない。サビに向かうコード進行の緊迫感と、一度聴いたら忘れられないメロディラインが、視聴者の感情を強引に引きつける。CMソングという制約された枠組みをアートへと昇華させるトップクリエイターたちの存在が、作品の記憶強度を何倍にも跳ね上げている。