ドラマ版の最終回において、物語は静かで感動的なクライマックスを迎えます。杉下希美の病気はスキルス胃がんなど進行性の悪性腫瘍であり、医師から告げられた余命は約1年未満でした。32歳という若さで死に直面した希美は、誰にも病気のことを打ち明けず、静かに身辺整理を始めます。
大手商社で輝かしいキャリアを積み、希美に婚約指輪を差し出して「結婚してくれ。一緒に世界へ行こう」とプロポーズした安藤望。しかし希美は、指輪を受け取ることはありませんでした。希美は安藤に対し、病気の事実を一切告げないまま、穏やかな笑顔で別れを告げます。安藤の未来に「死にゆく者の影」を残したくないという、希美なりの徹底した愛の貫徹でした。
希美が向かったのは、故郷の小豆島でした。そこには、東京での職を辞し、島で小さなレストランを開業していた成瀬慎司の姿がありました。互いの痛みを言葉にしなくても理解し合える成瀬の前で、希美は初めて自分の病気と死への恐怖を吐露します。成瀬は希美の震える手を包み込み、「一緒に生きよう」と告げます。完治の見込みのない命であっても、残された日々を同じ歩幅で寄り添いながら歩むこと。海を見つめる希美と成瀬の穏やかな表情とともに、物語は幕を閉じました。