三兄弟がなぜこれほどまでに卓越した語学力とバイタリティ、そして自立心を備えているのか。その真相は、両親の類まれなるバックグラウンドと教育方針にあります。
父親は、沖縄放送界の父と称される川平朝清(ちょうせい)氏です。首里の由緒ある名門・川平家の血筋を引き、戦後の沖縄において琉球放送の前身アナウンサーとして活躍。アメリカ統治下の沖縄において公共放送の設立に奔走し、沖縄放送協会(OHK、現NHK沖縄放送局)の初代会長を務めた伝説的人物です。その後も昭和女子大学の副理事長や名誉理事を歴任するなど、戦後教育・文化事業に多大な足跡を残しました。
一方、母親のワンダ・ヘイズさんはアメリカ・カンザス州出身の教育者です。朝清氏がアメリカ・ミシガン州の大学院留学中に出会い、結婚。異国の地である沖縄、そして東京へと移住し、長年バプテスト系のキリスト教会や学校で英語教育に携わりました。
川平慈英さんはアメリカ人の母と日本人の父を持つハーフであり、家庭内では英語と日本語が自然に飛び交う完全なバイリンガル環境でした。過去の手記や特番インタビューで慈英さんは、家庭教育について次のように述懐しています。
「父は『何事も自分で決めなさい。ただし選んだことには誇りと責任を持ちなさい』と背中を押し続けてくれた。母は底抜けに明るく、失敗してもユーモアで包んでくれた」
権威的に子どもを縛るのではなく、個々の好奇心を最大級に尊重する米日のハイブリッドな家庭環境こそが、型にはまらない三兄弟の個性を育て上げました。