Q1:どうしても引き継ぎが必要なため、一度だけでも部下本人に電話して引き継ぎ書を書いてもらうよう頼むのは違法ですか?
A1:直ちに刑事罰の対象となるわけではありませんが、実務上は絶対に避けるべきです。本人が代行業者を介して「直接の連絡を拒否する」旨を通知している場合、執拗な連絡はパワハラや精神的苦痛の追及要因になります。どうしても引き継ぎが必要な重要事項がある場合は、代行窓口を経由して「業務円滑化のための簡単な書面・マニュアルの郵送提供をお願いしたい」と法的に無理のない範囲で依頼するのが限度です。ただし、本人に強制する法的手順はありません。
Q2:社用のパソコンや保険証、制服などを返却してくれない場合はどうすればよいですか?
A2:代行業者に対して「会社貸与品の未返却リスト」を提示し、速やかな郵送返却を本部長名または社長名の書面で要請してください。万が一、再三の請求にもかかわらず意図的に返還に応じない場合は、業務上横領罪の成立可能性を含めた警告文の送付や、弁護士を通じた通知を行います。なお、未返却を理由に「最後の給与の全額差し押さえ」を行うことは労働基準法第24条(賃金全額払いの原則)に違反するため厳禁です。
Q3:納得がいかないので、離職票の発行を拒否したり遅らせたりすることはできますか?
A3:一切できません。雇用保険法に基づき、退職者が希望する場合、企業には離職票の交付手続きを速やかに行う法的義務があります。これを故意に遅延・拒否した場合、ハローワークから是正指導が入るだけでなく、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります(雇用保険法第83条)。どれほど現場に不満があっても、社会保険・労働保険関連の法定手続きは完全に切り離して遂行してください。