昭和11年(1936年)に渋谷・幡ヶ谷で創業したふるや古賀音庵。数ある和菓子の中で圧倒的な知名度を誇るのが、名物「古賀音だんご 黒胡麻」です。長方形の折箱を開けると、そこには団子の串すら見えないほどぎっしりと、漆黒のすり胡麻が敷き詰められています。「最初は団子がどこにあるのか箸で探した」という初見の驚きがSNSで拡散され、手土産としてのサプライズ効果も抜群です。
この黒胡麻の正体は、職人が毎朝丹念に煎り上げてすり潰した黒胡麻に、上質な和三盆糖などをブレンドした特製胡麻パウダーです。胡麻特有のえぐみや油っぽさは徹底的に抑えられ、口に運んだ瞬間に芳醇な香ばしさと優しい甘みが広がります。その下から現れる小ぶりな団子は、厳選された国産米粉を使用し、もっちりとしつつも歯切れが良い絶妙な食感に仕上げられています。
現在の標準的な価格は1箱5本入で税込1,080円前後。ワンコインで買える大衆和菓子と比べれば高級な位置づけですが、贅沢に使われた胡麻の分量と職人の手作業による品質を考慮すれば、極めてコストパフォーマンスに優れた逸品として贈答需要を掴み続けています。