当時の現場で何が起きていたのか。筆者が集約した当時の来園者手記やSNS上の証言、掲示板のログを検証すると、パーク内の治安と雰囲気が著しく悪化していた現場の生々しい実態が浮かび上がってきます。
「友人と木箱の仕掛けを楽しみに近づいたら、女子高生グループが木箱の上に靴のまま立ってポーズを取っていた。キャストさんが小走りで来て『危ないですから降りてください!』と注意しても、笑いながら降りてキャストさんが去るとまたすぐ登っていた」(当時20代・来園者の記録)
「子どもに『あの箱引っ張ると音が鳴るんだよ』と教えようとしたら、写真撮影の順番待ちをしている集団から『邪魔だからどいて』という視線を向けられた。本来子どもたちが無邪気に遊ぶエリアだったはずなのに、完全に雰囲気が殺伐としていた」(当時ファミリー層の投稿)
当時、Instagramでは「#トゥーンタウン」「#木箱」といったハッシュタグで数万件もの投稿が溢れていました。足元を強調したコーディネート写真や、グループ全員で箱の上に腰掛けた構図がトレンドとなり、それがさらなる模倣を生む負の連鎖を生み出していたのです。
さらに問題視されたのは、木箱だけでなく近隣の「トラッシュカン(パーク内のゴミ箱)」に手をかけて抱きつくポーズや、フラットな塀によじ登る行為へとマナー違反が波及したことでした。世界観を楽しむための街並みが、単なる「自己顕示欲を満たすための背景ボード」として消費されてしまった現実が、撤去という劇薬を選択せざるを得なかった背景にあります。