SNSや掲示板などで「まんが日本昔ばなし 怖い」というトピックが取り上げられると、世代を超えた熱量の高いコメントが殺到します。現代の視聴者が語るトラウマエピソードには、共通するいくつかの特徴が見て取れます。
「土曜の夜7時という、一家団欒のゴールデンタイムに不意打ちで流れたのが最大の罠だった」「夕飯を食べながら見ていたら、いきなり山姥が包丁を研ぐシーンになって喉に食べ物が詰まりそうになった」といった、シチュエーションのギャップを指摘する声は枚挙にいとまがありません。特撮ヒーローや少年漫画のような勧善懲悪を期待していた子供にとって、主人公が無残に命を落とす『吉作落とし』や、助けてくれたはずの生き物が報われない悲哀は、激しいカルチャーショックでした。
また、「大人になってから見返すと、単なる恐怖ではなく、貧困や飢えの残酷さに胸が締め付けられる」という再評価の声も極めて目立ちます。子供時代には理不尽な怪異として恐れていた物語が、大人になることで「当時の農民たちが直面していた絶望の記録」として重層的に理解できるようになる点こそ、本作が半世紀にわたって語り継がれる最大の要因です。