現在、空港現場で最も頻発しているトラブルが、「搭乗手続きを完了しているにもかかわらず、飛行機に乗れない」という事態です。旅行者向けの質問サイトやSNS上では、「スマホでチェックインを済ませていたのに、ゲートに行ったら扉が閉まっていた」「保安検査の列に並んでいたのに、出発20分前を1分過ぎただけでバーコードが赤く光り弾かれた」といった痛切な証言が日々投稿されています。
羽田空港や成田空港の最前線に立つグランドスタッフへの取材によると、乗り遅れが発生する最大の原因は「チェックイン完了=搭乗確定という心理的錯覚」にあります。
かつては紙の搭乗券を発行するために空港カウンターへ並び、その足で保安検査へ向かうのが一般的でした。しかし、オンラインチェックインの普及によって、自宅や移動中の電車内で搭乗手続きが完了するようになった結果、「すでに手続きは終わっているから大丈夫」という油断が生じやすくなっています。空港内のカフェや免税店で寛ぎ、搭乗ゲートへの移動を後回しにしてしまう乗客が急増しているのです。
さらに見落とされがちなのが、保安検査場通過締め切りの厳格化です。国土交通省の指導のもと、全国の空港で保安検査システムの自動化が進められ、締め切り時刻を1秒でも過ぎると端末が通過証を発行しない仕組みへ移行しました。スタッフ個人の裁量で通すといった融通は物理的に不可能となっており、「目の前に飛行機があるのに乗れない」という冷徹な現実に直面することになります。