境内の最奥部、高台へと続く斜面に佇む鳥居群は、京都の伏見稲荷大社とはまったく異なる趣を提示している。平坦な参道に整然と並ぶ鳥居とは異なり、ここは巧みに配置された池や橋、四季の植栽が織りなす和風庭園の中を、朱色のトンネルが立体的に波打つ。高台の展望所から見下ろすと、その曲線美はまさに天へ昇る龍そのものだ。
鳥居の数は実際には二百数十柱ほどだが、遠近法と地形の起伏が視覚的な錯覚を生み、無限に続いているかのような奥行きを感じさせる。朝靄が立ち込める時間帯には、朱色と緑のコントラストが幻想的な雰囲気を醸し出し、訪れる者を異界へと誘うような独特の緊張感が漂う。