ホットクックで肉じゃがを作った際に「味がぼやけて水っぽい」「中まで味が染みない」と感じる現象には、明確な物理的・科学的根拠が存在します。最大の原因は、一般的な鍋調理とホットクックの「無水調理メカニズム」の違いを把握できていない点にあります。
一般的なガス火やIHの鍋調理では、加熱中に大量の水分が水蒸気として空気中に蒸発するため、それを織り込んで「水・だし汁」をたっぷり注ぎ、煮詰めることで味を凝縮させていきます。一方、シャープの無水調理鍋は蓋の内側に施された特殊なパッキンと「旨みドリップ加工」によって機密性を保ち、蒸気をほとんど外へ逃がしません。玉ねぎ1個(約200g)からは約180mlもの水分が浸出するため、従来のレシピ通りにだし汁や水を加えてしまうと、鍋の中は「肉じゃが」ではなく「煮物スープ」のような状態へ陥ってしまいます。
さらに、食材内部への味の浸透は「加熱時」ではなく「冷めていく過程」で浸透圧によって進行します。ホットクックの自動コース終了直後は、具材が柔らかく煮えていても塩分が中心部まで移行していません。この温度変化の特性を計算に入れずに出来立てをすぐ口に運ぶと、「外側は水っぽく、中は味がしない」という物足りなさを感じる結果となります。