時代のうねりは止まらない。かつてクラブシーンや路上のストリートで磨かれていたストリートダンスは、いまや全国の学校現場で本格的な体育科目や芸術表現としての地位を固めた。これに伴い、インストラクターの派遣や専用スタジオの設置、専門の振付師の起用といったダンス教育産業がマーケットとして急速に拡大を見せている。
経済的・技術的なバックアップ体制が整ったことで、高校生ダンサーたちの水準は年々底上げされている。しかしその反面、型にはまった綺麗なダンスが増え、ストリート本来の「生々しいエネルギー」や「オリジナリティ」が失われるのではないかという懸念の声も現場の指導者からは聞かれる。洗練された競技性と、尖った個性の表現。この二律背反をどう乗り越えるかが、今後の発展における最大の課題と言える。