血圧の数値を正しく理解するためには、心臓と血管の連動したポンプシステムを知ることが不可欠です。上の血圧は心臓が力強く収縮して血液を送り出した瞬間の圧力を示し、拡張期血圧と呼ばれる下の血圧は、心臓が次の拍動に備えて拡張し血液を溜め込んでいる最中に、血管壁にかかり続けている圧力を指します。
では、心臓がポンプを緩めているにもかかわらず、なぜ圧力が下がらないのでしょうか。最大の要因は、全身の毛細血管に近い細い動脈がキュッと狭まり、血液の流れが滞るストレスと末梢血管抵抗の増加にあります。大動脈にしなやかさが残っている若年層から中年層では、心臓の収縮エネルギーを柔軟に吸収できるため上の血圧は跳ね上がりません。しかし、末端の血管が緊張して抵抗が高くなると、血液がスムーズに末梢へ流れず、拡張期になっても血管内に強い圧力が残り続けてしまいます。
この末梢血管の収縮を引き起こす主犯格が、慢性的な交感神経の過緊張や肥満、過剰な塩分摂取です。血液量そのものの増加や、自律神経の乱れによって血管が常に締め付けられた状態が固定化することで、「上は普通なのに下だけが90以上」というアンバランスな状態が生み出されます。