日本には古くから、鳥の鳴き声を人間の言葉に当てはめて覚える「聞きなし」という文化があります。ホトトギスの鳴き声はその代表格であり、主に2つのフレーズが広く知られています。
- 「特許許可局(トッキョキョカキョク)」:リズミカルに繰り返される鋭いスタッカート(キョッ・キョッ・キョキョキョキョ)が、早口言葉のような役所名に聞こえることから明治以降に定着した聞きなし。
- 「テッペンカケタカ(天辺欠けたか)」:江戸時代以前から伝わる伝統的な聞きなし。「頭のてっぺんが禿げているか」「山の上(天辺)を飛んでいったか」など、民話や怪談話と結びついて語り継がれてきました。
- 「本尊掛けたか(ホンゾンカケタカ)」:仏教説話において、掛け軸の仏像を掛けたかを問いかける声に見立てられた地域伝承。
漢字表記である「杜鵑(ホトトギス)」の文字には、中国の古代蜀(しょく)の国の望帝(ぼうてい)が国を追われ、死後に鳥となって復讐と悲哀のために血を吐くまで鳴き続けたという「望帝啼血(ぼうていていけつ)」の故事が由来しています。口の中が鮮やかな赤色をしている生態と相まって、古来より文学的・情緒的な象徴として扱われてきました。