ネット上の情報検索において、極めて頻繁に見受けられる致命的な誤解が2点存在します。その真実を客観的事実から解き明かします。
1つ目の誤解は、「中村獅童は萬屋錦之介の息子である」という誤った噂です。メディアで獅童が「叔父・錦之介の豪快なエピソード」を愛情込めて語ることが多いため、一部のライト層が直系親子だと勘違いしてしまった経緯があります。前述の通り、獅童の実父は四男の小川三喜雄(三代目獅童)であり、二代目獅童は錦之介から見て甥にあたります。実子の若すぎる悲劇とは対照的に、甥である獅童が錦之介の型破りな役者魂を精神的に色濃く受け継いでいる点が、この誤認を補強する心理的背景となっています。
2つ目の誤解は、「初代中村錦之助」と「二代目中村錦之助」の経歴の混同です。往年の大スター「錦ちゃん」として語られる映画やドラマの伝説はすべて初代(萬屋錦之介)の実績です。現在の舞台で活躍しているのは、兄・四代目時蔵の次男である二代目中村錦之助です。二代目は1990年代にテレビドラマ『暴れん坊将軍』などで活躍した時期もありましたが、本拠地は一貫して歌舞伎の舞台です。叔父の名跡に泥を塗らぬよう、品格あふれる立ち役として古典の舞台を実直に支え続けています。