近年人気の「紅はるか」や「シルクスイート」「安納芋」といった蜜芋系品種の持ち味を最大限に引き出すには、さつまいも低温じっくり茹で方が最も有効なアプローチとなります。
沸騰したお湯(100℃)でグラグラと激しく茹でてしまうと、β-アミラーゼは失活温度(約85℃〜90℃)を一気に超えてしまい、デンプンが糖に変わる前にただ柔らかくなるだけで終わってしまいます。これに対し、鍋の水が沸騰する寸前の微沸騰状態(小さな気泡が鍋底から静かに上がってくる程度・約80℃前後)を保ち、30分以上かけてゆっくり火を通すと、驚くほど濃厚なねっとり食感と強い甘みを引き出すことができます。
さらに甘みを引き立てる裏技として、茹で水に対して0.5%〜1%程度の塩(水1リットルに対して小さじ1弱)を加える方法があります。ごくわずかな塩分がさつまいも本来の甘みを対比効果で際立たせ、後味をすっきりと上品にまとめ上げます。
また、ホクホク系の代表格である「鳴門金時」や「ベニアズマ」を調理する場合は、水分を吸い込ませすぎないよう輪切りにして12〜15分程度で短時間茹で上げ、ザルに上げた直後に鍋に戻して軽く粉ふき芋の要領で水分を飛ばすと、理想的な粉質ホクホク感に仕上がります。