レモンやビタミンCに関しては、科学的根拠が曖昧なまま拡散された俗説が少なくありません。代表的な3つの誤解を紐解きます。
誤解1:「ビタミンCは熱に弱く、ホットレモンにすると全滅する」の真相
「熱を加えるとビタミンCは一瞬で破壊される」と信じられていますが、純粋なアスコルビン酸の結晶は融点(約190℃)まで耐える比較的熱に強い分子です。熱によって壊れやすくなる主因は「水溶性による水中への溶出」と「酸素・加熱による酸化の加速」です。沸騰したお湯にレモン果汁を入れてホットレモンドリンクを作る程度(数分間の加温)であれば、ビタミンCの残存率は80〜90%以上を維持します。過度な加熱分解を恐れて温かい飲み方を避ける必要はありません。
誤解2:「レモン水を朝飲むと紫外線でシミができる(ソラレン問題)」
柑橘類に含まれる光毒性物質「ソラレン」を朝に摂取すると紫外線吸収を高めてシミの原因になるという噂が長年語られてきました。しかし、近年の成分分析において、レモンの果汁にはソラレンがほとんど含まれていないことが確認されています。皮を大量にすりつぶして肌に直接塗るような極端な行為をしない限り、朝にレモン水をコップ1杯飲んで外出しても光過敏症を引き起こすリスクはありません。
誤解3:「ビタミンCは摂れば摂るほど効果がある」
水溶性ビタミンであるため、過剰に摂取した分は尿中に排出されます。しかし、サプリメントなどで一度に2,000mg(2g)を超える大量摂取を行うと、浸透圧の上昇によって下痢や一過性の胃腸障害、頻尿などの副作用を招く恐れがあります。1日数回に分けて小分けで摂取するのが最も吸収効率に優れています。