音楽プロデューサーとしても稀有な異彩を放つ米津玄師は、自らの楽曲のアートワークやアニメーションMVの絵コンテを手掛けることでも知られる。彼が描く独特なタッチのイラストは、楽曲が持つダークで洗練された世界観と深く共鳴し、聴き手・観る者に強烈なプレッシャーと没入感を与える。
特に狂気と孤独が交差するようなサイコサスペンス的な要素を含む楽曲において、視覚表現の果たす役割は極めて大きい。描かれたキャラクターの歪んだ指先や、瞳の奥に映り込む意味深なシルエットは、楽曲の歌詞が持つ多層的な意味を補完し、解釈の幅を無限に広げる。視覚と聴覚が交差する点に生まれる謎が、リスナーの考察欲求を激しく掻き立ててやまない。