英語圏で「Let's go to the sushi train!」と言えば、回転寿司を食べに行くことを意味するほど日常に溶け込んでいます。この言葉の源流には、1990年代初頭にオーストラリアのゴールドコーストで産声を上げた日本食チェーン「Sushi Train(スシトレイン)」の存在があります。
日本の回転寿司の歴史を遡ると、1958年に大阪で誕生した「元禄寿司」がルーツとされています。ビール工場の製造ベルトコンベアに着想を得たこの画期的なシステムを、オーストラリアに持ち込み「走る列車(トレイン)に見立ててローカライズした」ことが、海外での大ヒットの契機となりました。
創業当時の関係者や現地メディアの記録によると、当初は箸の使い方に不慣れな現地客も多かったものの、「目の前を料理が走ってくる」という視覚的インパクトと、言葉の壁を感じずに指差しで食べられる手軽さが受け、瞬く間にクイーンズランド州やシドニーをはじめとする大都市圏へ拡大しました。現在ではオーストラリアの日本食チェーンを代表するアイコンとして、多国籍な顧客層を惹きつけています。