「大好きな犬と毎日触れ合える仕事」というイメージだけで飛び込むと、最初の数カ月で深刻なリアリティ・ショックに直面します。実際の訓練所や現場関係者の手記、SNSコミュニティに寄せられる生の声から、現場のリアルな実態を検証します。
訓練士の1日は、早朝5時〜6時台の犬舎清掃と給餌から始まります。大型犬数十頭分の糞尿処理、徹底した衛生管理、運動、そして訓練スケジュールの消化。雨の日も雪の日も、猛暑の炎天下であっても訓練や散歩を休むことは許されません。現場の若手訓練士からは以下のような切実な証言が聞かれます。
「最初の1年は犬の訓練よりも、犬舎の掃除とブラッシング、道具の手入れで1日が終わる。犬を可愛がるのではなく、命を預かり規律を教え込む厳しさに耐えられず、同期の半分が半年以内に辞めていった。」(元見習い訓練士の証言)
また、警察犬の訓練には「防衛訓練(アタック訓練)」が含まれます。特殊な保護具(ジュート袖)を装着した訓練士自身が犯人役(アジテーター)となり、犬の強烈な噛みつきを受け止めなければなりません。激しい衝撃でアザや打撲ができることは日常茶飯事であり、大型犬を制圧するための強靭な体力と精神力が常に要求されます。