4分割法では、ホワイトボードや検討シートを田の字型に4分割し、以下の項目に沿って情報を配置していきます。
① 医学的適応(善行・無危害原則に対応)
患者の病状、診断、予後、治療の選択肢、治療による改善の見込みなどを記入します。「医学的に何ができるのか」「その治療は害よりも益をもたらすのか」という客観的な医学的事実を記載するエリアです。医療従事者の推測ではなく、科学的根拠に基づいた情報を集約します。
② 患者の意向(自律尊重原則に対応)
患者本人が病気や治療についてどう捉え、何を望んでいるかを整理します。意思決定能力の有無、インフォームド・コンセントの状況、事前指示書(リビングウィル)の有無などを明確にします。本人が意思表出しづらい場合は、「以前に本人が語っていた価値観」や推定意思を丁寧に拾い上げます。
③ 生活の質 QOL(善行・無危害・自律尊重原則に対応)
治療を行う、あるいは行わないことによって、患者の身体的・精神的・社会的なQOLがどう変化するかを評価します。「本人が許容できる生活水準とは何か」「苦痛緩和の手段はあるか」など、患者の主観的な幸福感に寄り添った検討を行います。
④ 周囲の状況・文脈的特徴(正義原則・公平性に対応)
患者を取り巻く家族の意向や経済状況、宗教的背景、法的・制度的な制約、医療スタッフの葛藤などを整理します。患者本人の問題と、周囲の都合や感情を切り離して捉えるために不可欠な枠組みです。