1980年代初頭、テキサスのプロレス界は熱狂の頂点にあった。WCCW(ワールド・クラス・チャンピオンシップ・レスリング)の主宰者であり、悪役として世界を震撼させたフリッツ・フォン・エリッチ。彼が育て上げた息子たちは、地元ダラスでロックスタア並みの人気を獲得していく。中でも三男ケリー・フォン・エリッチのスター性は群を抜いていた。
彫刻のように磨き上げられた肉体と、父から継承した必殺技「アイアンクロー」。1984年、リック・フレアーを破りNWA世界ヘビー級王座を奪取した夜、テキサスのファンは狂喜乱舞した。だが、それはあまりにも重すぎる期待の始まりでもあった。「絶対的な強さ」を演じ続けることを求められた兄弟たちを、目に見えないプレッシャーが少しずつ追い詰めていく。