『ONE PIECE』のクライマックスにおける最大の見所の一つが、武器の「黒刀化」である。作中で永久の黒刀として完成しているのは、ジュラキュール・ミホークの「夜」と、霜月リューマが残した「秋水」の二振り人のみ。数多の戦いを潜り抜け、覇気を纏わせ続けることで刀は位列を上げ、決して折れない黒刀へと成るとされる。
ゾロが現在所持する名刀・閻魔もまた黒刀化の候補として名高い。だが、最も深い伏線と情緒的なドラマを秘めているのは間違いなく和道一文字だ。死線を幾度も越え、くいなとの誓いと気魄を注ぎ込まれてきたこの刀が、ゾロ自身の武装色・覇王色の覇気によって成就した時、真の「黒刀」へと昇華する。世界一の剣豪へ到達する瞬間、和道一文字が漆黒の輝きを解き放つ展開こそ、作中屈指の伏線回収であり名刀の真価が発揮される瞬間と言えるだろう。