現在の天守は、1931年(昭和6年)に市民の寄付によって復元された「三代目」である。織田信長のアズチ城に始まる城郭建築の歴史において、鉄骨鉄筋コンクリート構造を採用した先駆けであり、実は近代建築史における重要文化財でもある。
外観は徳川時代の天守台の上に豊臣時代のデザイン(黒漆に黄金の伏虎や鶴)をあしらうという、ハイブリッドな美意識で仕上げられている。城内に足を踏み入れると、昭和初期のレトロで重厚な意匠と、近代的な耐震補強工事が融合した特異な空間に気づくだろう。
展示階に並ぶ重要文化財の兜や真田幸村ゆかりの書状などは、LED照明と湿度管理が徹底されたガラスケース内で燦然と輝く。武将たちの生き様を間近で実感できる高精細な展示は、歴史の息吹を今に伝えている。