渋谷や原宿のサロンに足を運ぶと、スタイリストたちの口から異口同音に発せられる名前がある。昭和歌謡の黄金期を彩った伝説の歌姫、中森明菜だ。かつてテレビ画面を釘付けにした彼女の髪型が、デジタルネイティブなZ世代のハートを射抜いている。
従来の「昭和レトロ」といえば、どこかノスタルジックな雰囲気を楽しむ程度のものだった。しかし、現在の美容・ヘアサロン業界で起きている現象は次元が異なる。重めのシルエットにしっかりとリッジを効かせたカール、そしてアンニュイな前髪の毛流れ。それらが、ストリートファッションに身を包む若者たちの新しい自己表現として完璧にフィットしているのだ。