フロントマンのはっとりは、実体験や個人的な感情の揺らぎを独自の言語感覚で昇華させるソングライターとして知られる。この楽曲が生まれた背景にも、彼自身の生々しい葛藤と表現への執念が存在していた。机上の空論ではなく、実際に肌で感じた夜の空気や息遣いをそのまま譜面に落とし込む作業から、あの胸を抉るフレーズの数々が生み出された。
彼が意図したのは、耳触りの良い美談としての恋愛ではなく、みっともなさや情けなさを内包した剥き出しの人間の姿だった。弱さを認めることの難しさと、それでも溢れ出てしまう未練。はっとりのボーカルが帯びる独特の掠れとエッジは、言葉の裏に張り付いたプライドと絶望を余すところなく増幅させている。