「グローイング アップ」がSNS等で「親泣かせの神曲」と称される最大の理由は、歌詞に隠された「時の流れの不可逆性」だ。昨日までできなかったことが今日できるようになる喜び。しかしそれは同時に、赤ちゃんだった頃の我が手から少しずつ離れていく寂しさの裏返しでもある。
日々大きくなる服のサイズ、自分で結べるようになった靴ひも。そんな日常の一コマが、宮藤官九郎の詩的なユーモアと情熱によって美しい詩へと昇華されている。成長していく我が子の眩しさに目を細めながらも、二度と戻らない今という瞬間の愛おしさを噛みしめる大人たちの情念を、この歌は見事に代弁してくれている。