Adhdの薬で性格は変わる?冷たくなった噂の真相と感情鈍麻の正体

Adhdの薬で性格は変わる?冷たくなった噂の真相と感情鈍麻の正体

Adhdの薬で性格は変わる?冷たくなった噂の真相と感情鈍麻の正体について押さえておきたい 理由を分かりやすい構成で解説いたします。

インターネット上には「ADHDの薬を飲むと脳が改造されて元に戻らなくなる」「廃人のように感情を失う」といった扇情的な言説が散見されますが、これは医学的な事実と大きく乖離した典型的なバイアスと誤解です。

まず押さえるべき絶対的事実は、ADHD治療薬の作用は「可逆的」であるという点です。体内の薬物代謝が進み、休薬あるいは減量を行えば、薬理作用は消失し、脳内の神経伝達物質は元のベースラインへと速やかに回帰します。不可逆的に脳の神経回路が焼き切れたり、生来の気質が永久に奪われたりするような科学的証拠は一切報告されていません。

もう一つの盲点は、周囲との関係性における「役割の固定化」です。発達障害を抱える家庭や職場では、周囲が無意識のうちに本人の「ミスが多く、おどけた道化役」や「突飛な発想をするトラブルメーカー」という役割に依存しているケースが多々あります。本人が投薬によって冷静になり、理路整然と意見を述べ始めると、周囲はこれまでの力関係が崩れたことに不安を覚え、「あいつは薬で冷たくなった、おかしくなった」とレッテルを貼る傾向があるのです。変化したのは性格ではなく、本人が獲得した健全な対人防衛反応である場合も珍しくありません。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。