過去数年間、人気お笑い芸人やトップアーティスト、アナウンサーが椎骨動脈解離によって突如として長期休養を余儀なくされる芸能人ニュースが世間を騒がせました。公の場での華やかなパフォーマンスの裏で、突然襲いかかった原因不明の後頭部痛に苦しみ、当直医の機転や救急搬送によって命拾いをしたという当事者の告白は、この疾患の潜在的リスクを広く浮き彫りにしました。
復帰会見や闘病手記において共通して語られるのは、「単なる寝違えや慢性疲労だと思い込み、数日間仕事を続けてしまった」というタイムラグの恐怖です。発症当初は微熱や重い違和感程度であったものが、数日後に立ち上がれないほどのめまいや視野狭窄へと進行し、救急車で運ばれた段階で即座に集中治療室(ICU)での絶対安静を言い渡されるケースが典型パターンとして見受けられます。
SNSやコミュニティサイトに投稿される当事者の体験談を精査しても、「市販の鎮痛薬を何錠飲んでも全く効かなかった」「痛む側の首筋に拍動性のコブのような腫れを感じた」といった切実な声が散見されます。見た目には外傷がないため周囲の理解を得られにくい一方、体内では刻一刻と血管事故が進展しているというギャップこそが、本疾患の最も恐るべき側面です。