照明を落としたお茶の間。真空管テレビが放つうっすらとした青白い光。そこに流れてくるのが、あのアコースティックギターの不穏なストロークと、熊倉の脱力した、しかし底知れぬ凄みを秘めた歌声だ。
「朝は寝床でグーグーグー」
歌詞の内容はどこか滑稽で、怠惰ですらある。だが、熊倉の喉を経由することで、それは「人間社会のあくせくした営みに対する、異界からの冷ややかな嘲笑」へと変貌を遂げる。子どもたちは恐怖に震えながらも、その怪しい魅力から目を離すことができなかった。綺麗に整えられた現代のアニメソングにはない、生々しい「泥くささ」と「狂気」がそこには充満していたのだ。