2010年代以降、生活の拠点をハワイへと移した吉川ひなのの姿は、かつての派手な芸能界のイメージとは鮮やかな対比をなしている。大自然の中でオーガニックフードを育て、環境問題やヴィーガニズムに向き合う日常。この暮らしの転換こそが、彼女にとって自らの肉体や根っこにあるルーツを肯定する重要なプロセスだった。
ハワイという多様な人種と文化が交差する土地で過ごすことで、血統や国籍といった枠組みにとらわれない柔軟な価値観が育まれた。かつて追及された血筋への問いは、自然豊かな島での暮らしの中で、自らの多様なバックグラウンドを誇らしく抱きしめる力へと昇華されていったのである。