かつて安藤百福がチキンラーメンを発明し、世界で初めてのインスタント麺を世に送り出して以来、日本の即席麺業界は絶え間ない試行錯誤を重ねてきた。特に水分を脱水しながら旨味を閉じ込めるフリーズドライ技術や、常温保存を可能にする包装技術の飛躍は、加工食品産業全体に巨大な革新をもたらした。
その発展の過程で最大の壁となったのが、本物の豚骨ラーメンが持つ独自のドロッとした濃厚スープと、独特の低加水極細麺の質感の両立である。スープの油脂分が酸化せず、かといって麺がスープの水分を吸いすぎて伸びてしまわないよう、数多の化学者と職人が技術の火花を散らしてきた。その結果生まれたのが、熱湯数分で本格的なコクを復元する最新の即席カップ麺なのだ。