今や山口県を代表するご当地グルメとして不動の地位を築く瓦そば。その起源は1877年の西南戦争にまで遡る。熊本城を囲む薩摩軍の兵士たちが、野戦の合間に割れた屋根瓦を使って野草や肉を焼いて食べたという古老の逸話。これに着想を得た創業者の高瀬慎一氏が、試行錯誤の末に1962年に開発したのが始まりだ。
開発当初、日用品である瓦を調理器具に転用する発想は奇抜そのものだった。しかし、保温性に優れた瓦は最後まで冷めずに料理を楽しめるという合理的な利点を備えていた。株式会社たかせは、京都宇治の上質な抹茶を練り込んだ自家製茶そばと、厳選された牛肉、錦糸卵、もみじおろし、レモンを組み合わせ、単なる野戦料理の再現にとどまらない洗練された郷土料理へと昇華させたのだ。