親子の歩みは決して平坦なものではなかった。2010年、母である松本友里さんが42歳の若さでこの世を去るという悲劇に見舞われた時、愛息はまだ幼い小学生だった。突然の別れに直面した松平健は、深い悲嘆に暮れながらも「この子だけは自分が命がけで守る」と心に誓ったという。
早朝からのロケや連日続く舞台公演の合間を縫い、息子のために毎日欠かさず弁当を作り続けたエピソードは有名だ。どんなに仕事が過密でも、学校行事には必ず顔を出した。単なるスター俳優ではなく、泥臭いまでに愚直な「父親」として注がれた愛情が、母を失った少年の心をどれほど支えたかは想像に難くない。