昆虫の内臓はどうなっている?心臓や肺の有無と驚異の仕組みを徹底解剖

昆虫の内臓はどうなっている?心臓や肺の有無と驚異の仕組みを徹底解剖

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「昆虫には心臓や肺がない」という言説を耳にすることがありますが、これは半分正しく、半分は誤解です。厳密に言えば、人間のような筋繊維で包まれた球状の心臓や、肺胞によるガス交換装置はありません。しかし、循環器と呼吸器としての機能を果たす専用器官は明確に存在します。

昆虫の循環器は「背脈管(はいみゃっかん)」と呼ばれる一本の細長い管です。背中側を縦断するように位置し、後方(腹部)の部屋構造を持つ心室部が規則正しく収縮・拡張することで、体液を前方(頭部)へと押し出します。血管のネットワークを通じて全身を巡らせる閉鎖血管系とは異なり、昆虫は「開放血管系」を採用しています。背脈管から送り出された体液は血管を通らず、体腔内に直接放出され、内臓の隙間を満たしながら後方へと戻っていきます。

さらに決定的な違いが呼吸システムです。昆虫の体には肺が存在せず、体側の節ごとに並ぶ「気門(きもん)」と呼ばれる微小な穴から直接外気を取り込みます。気門から続く「気管」は体内で幾重にも枝分かれし、微細気管となって個々の細胞や組織に直接酸素を届けます。血液を介して酸素を運ぶ必要がないため、昆虫の血液である「血リンパ」には赤血球やヘモグロビンがほぼ含まれず、透明、あるいは淡い黄色や黄緑色に見えるのが特徴です。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。