SNSやネット掲示板などで頻繁に目にするのが、「手足が細いから自分は太っていない」「BMIが22の標準体型だから関係ない」という言説です。しかし、専門医の間ではむしろこの「隠れメタボ(サルコペニア肥満)」こそが最も危険視されています。
手足の筋肉量が減少し、内臓の周りだけに脂肪がびっしりとこびりついているタイプは、外見上の肥満度が目立ちません。そのため危機感を持ちにくく、健診の数値で異常が出るまで放置されやすいという盲点があります。
また、「小太りの方が長生きする」という長寿パラドックスの言説を都合よく解釈し、メタボを正当化する論調もあります。疫学調査で示されているのは「高齢期における適度な筋肉と皮下脂肪の維持」が免疫力を保つという文脈であり、内臓脂肪過多によって血管が傷ついている状態が容認されているわけではありません。内臓脂肪から分泌される悪玉アディポサイトカイン(TNF-αやPAI-1など)は全身の慢性炎症を引き起こし、血管老化を加速させて健康寿命を大きく縮める原因となります。