宗教学者・島田裕巳の現在とオウム騒動の真相|経歴から名著まで徹底解剖

宗教学者・島田裕巳の現在とオウム騒動の真相|経歴から名著まで徹底解剖

宗教学者・島田裕巳の現在とオウム騒動の真相|経歴から名著まで徹底解剖の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。

華々しい学者人生が暗転したのが、1990年代半ばに日本中を震撼させたオウム真理教事件でした。事件発覚以前、島田氏は教団施設を直接取材し、著書や雑誌記事でオウム真理教の修行体系や若者を引きつけるメカニズムを肯定的に分析。「彼らが危険なテロ集団であるはずがない」といった趣旨の論考を発表していたことが、後の地下鉄サリン事件(1995年3月)の発生によって猛烈な批判の対象となりました。

教団の凶悪な実態が露見するにつれ、マスコミ各社や世論は「オウムを擁護し、危険性を見抜けなかった御用学者」として島田氏を激しく指弾。担当講義のボイコットや大学への抗議が殺到する事態に発展し、自宅や研究室にまで嫌がらせが相次ぎました。島田氏は一連の道義的責任を取り、1995年に日本女子大学助教授を辞任。アカデミズムの主流派から事実上追放される形となり、長い雌伏の時期を迎えることになります。

後年の自著や回想録において島田氏は、「自分が見ていたのは教団が意図的に見せていた表層の姿に過ぎず、深部で進行していた狂気と凶暴性を完全に見落としていた」と痛恨の誤りを率直に告白しています。この手痛い挫折と現場取材の限界への反省が、その後の徹底して冷徹かつ客観的な観察眼を養う原点となりました。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。