法律相談や消費者窓口に多く寄せられるのが、「店舗が客の入店を拒絶することは法律違反ではないのか」という疑問です。結論から言えば、日本法における大原則として、店側が特定の客との取引を拒絶する行為自体は原則合法と解釈されます。
日本国憲法第22条(職業選択・営業の自由)および民法における「契約自由の原則」に基づき、事業者は「誰と、どのような条件で契約を締結するか」を自由に決定できます。店舗で飲食をしたり商品を購入したりする行為は、法律上「売買契約」や「役務提供契約」に該当します。客側が一方的に申し込んでも、店側の承諾がなければ契約は成立しません。
ただし、この自由は無制限に認められているわけではありません。公共性の高い公共交通機関や宿泊施設(旅館業法)、医療機関(医師法)などには個別の法令で正当な理由のない「引受義務」や「応招義務」が課されています。これに対し、一般的な飲食店や小売店、美容室などには法律上の契約強制義務がありません。そのため、店側の営業方針や店舗環境の維持を目的とした入店制限は、原則として適法と判断されます。