日航機墜落「生存者殺害」の真相|なぜ自衛隊疑惑や陰謀論が消えないのか

日航機墜落「生存者殺害」の真相|なぜ自衛隊疑惑や陰謀論が消えないのか

日航機墜落「生存者殺害」の真相|なぜ自衛隊疑惑や陰謀論が消えないのかを徹底追究! 読者が気になる 重要ポイントを凝縮して配信します。

ネット掲示板やSNS動画などでまことしやかに語られる「生存者殺害説」は、事故直後の自衛隊の行動に対する根拠のない憶測から生み出されたものです。この言説を主張する投稿では、「事故原因となる軍事的な不祥事(自衛隊のミサイル誤射や無人標的機の接触など)を隠蔽するため、現場にいち早く駆けつけた特殊部隊が生存者を口封じのために射殺、あるいは火炎放射器で焼却した」といったシナリオが語られます。

しかし、日航機事故における火炎放射器デマや殺害説を裏付ける法医学的証拠や物的証拠は一切存在しません。群馬県警が主導した検視作業には、警察医だけでなく東京大学や群馬大学の法医学教室から多数の医師・法医学者が動員されました。医師団の記録によると、犠牲者の死因の大半は墜落時の猛烈な衝撃による全身挫滅、頭部外傷、内臓破裂、そしてその直後に発生したジェット燃料の燃焼による焼死でした。

航空機用ジェット燃料(Jet A-1)は極めて高い引火性と熱量を持ち、山林に大量に飛散したことで数千度に達する高温火災を引き起こしました。現場の遺体が炭化していたのはこのためであり、軍用兵器が使用された痕跡はありません。悪質なデマが生まれた背景には、あまりに凄惨な現場状況と、後述する救助活動の大幅な遅れに対する世論の怒りや悔恨が、歪んだ形で結びついた心理的要因が存在します。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。