ネット検索エンジンで「北の杜御廟」と入力すると、関連検索候補に「経営破綻」「倒産」といった不穏なキーワードが浮上することがあります。これから納骨堂の契約を検討している方にとって、これほど不安を煽られる言葉はありません。しかし、結論から言えば、北の杜御廟が経営破綻に陥ったという客観的・法的事実は一切存在しません。
では、なぜ火のない所に煙が立ったのか。その根本的な背景には、2022年に札幌市東区で表面化した民間納骨堂「御霊堂元町」(宗教法人白鳳寺が運営)の経営破綻・競売トラブルという、北海道の葬送史に刻まれる未曾有の事件があります。管理費の流用や杜撰な資金運営によって建物が差し押さえられ、約千柱もの遺骨の引き渡しを巡って利用者が混乱と悲嘆に暮れた出来事は、全国ニュースでも大きく報道されました。
この事件を契機に、札幌市民の間には「室内の納骨堂は将来倒産するのではないか」という根深い不信感と防衛意識が芽生えました。その結果、札幌市内で大規模に展開する施設全般に対して「〇〇納骨堂 経営破綻」と安全性を確かめる検索行動が恒常化し、それがアルゴリズムによって検索候補に表示され続けているのが実態です。北の杜御廟の現在の状況を取材・確認する限り、施設は約5,000基の納骨壇を有し、日々の法要や見学相談も平常通り行われており、風評被害の側面が極めて強いと言えます。
ただし、利用者が危機感を持つこと自体は決して間違いではありません。札幌市内で起きたトラブルを他山の石とし、契約前には「事業主体となる宗教法人の財務健全性」「管理会社の経営基盤」「万が一の際の事業承継プラン」について、見学時に直接質問をぶつける慎重さが求められます。