女性の身体は月経周期やライフステージによってホルモンバランスがダイナミックに変化します。この波が脳内の覚醒中枢や体温調節機能に直接影響を及ぼし、抗えない眠気の引き金となります。
生理前の約2週間にあたる黄体期には、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が急増します。プロゲステロンは分解される過程で催眠作用を持つ物質へと変化するだけでなく、基礎体温を約0.3〜0.5度上昇させます。本来、人間は夜間に深部体温が下がることで深い睡眠を得られますが、黄体期は夜になっても体温が下がりにくく、睡眠の質が著しく悪化します。その結果、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)の一環として、昼間に激しい眠気が生じるのです。
さらに40代以降のプレ更年期・更年期世代では、エストロゲン(卵胞ホルモン)の急減によって自律神経が乱れやすくなります。ホットフラッシュや夜間の中途覚醒が増加し、慢性的な睡眠不足に陥るケースが目立ちます。「しっかり寝たつもりでも疲労が抜けない」という訴えの裏には、ホルモン低下に伴う睡眠構造の乱れが存在します。